専門学校は「認可校」と「無認可校」があります
専門学校という学校が日本国内で設置されることになったのは1976年からのことです。
根拠となっているのは学校教育法であり、そこで専門学校として運営をすることができる学校組織について細かく定めがされています。
この学校教育法で定められている専門学校の条件を満たしている学校のことを「認可校」と呼んでおり、認可を受けていない学校と比較して様々な面で優遇措置を受けています。
逆に学校教育法の専門学校の条件を満たさずに教育サービスを提供している施設のことを「無認可校」と呼んでおり、課程修了時に得られる学位や資格に違いがあります。
専門学校を選ぶ場合にはその学校が認可校か無認可校かということもしっかり調べておくことで、より最終的に目標とするスキルアップや資格取得に近づくことができます。
なお都道府県から認可校とされている学校以外は本来的には「○○専門学校」といった名称は使うことができないように定められています。
そのため無認可校の場合には「○○専門学院」のような専門学校という名称を使用していないことが多いのですが、逆に古くからある専門学校の場合は実際には認可を受けてはいるけれどもあえて昔からの名称を変更させずに専門学院など別の名称を使用していることもあるので気をつけましょう。
認可校の条件と優遇措置について
専門学校が認可校となるためには、まず先に学校教育法の条件を満たした上で所在地を管轄する都道府県に申請をすることとなります。
認可を受けるための条件としてはまず「就業年数が1年以上であること」や「年間授業時間が800時間以上(夜間部の場合は450時間以上)であること」、更に「入学者の条件として高校卒業以上の学歴があること」と「校舎の建物および敷地が借地でないこと」が挙げられています。
つまり一般的な認識としては、大学や短大のようにきちんと毎週決まった日に単位取得をするための勉強をすることができる教育施設であるということが一定の目安になります。
ただし上記の条件を満たしていなくても認可を受ける事ができる学校として「専修学校」という制度もあります。
認可されている学校は公式ページやパンフレットに必ずその旨の記載があるはずなので、学校名称と合わせてそのあたりもしっかりチェックしておきたいところです。
認可校となることで受けられる優遇措置としてまず「学割」という制度を使うことができるようになるということがあります。
また卒業時に「専門士」という学位がつくので卒業時の最終学歴が高卒や中卒のままということがありません。
他にも日本学生支援機構の奨学金を受ける対象となれたり、卒業時の就職先の斡旋を受けることができたりします。
あとはもし学校が経営破綻したような場合にも、認可校は自治体などから学生へ救済措置がとられるといったことも大きなポイントになってきます。
無認可だから悪いというわけではない
認可校、無認可校という言い方だけを見るとまるで無認可校は決まりのない学習スケジュールをしているかのようにも思えてしまいますが決してそうではありません。
実際には非常にレベルの高い内容の授業を行う無認可のスクールもたくさん存在しています。
認可校が多い分野となっているのはやはり卒業時に特定の国家資格を受ける条件となるような業種です。
具体的には医療系や福祉系、教育系、工業系といった専門技術の実習が必要となるところです。
逆に無認可のまま運営をしている学校が多い分野は、卒業時に特定の国家資格を得る必要がない分野です。
エステやネイルなどの美容系や、デザイン系、音楽・芸能系、コンピューター系といったものです。
テレビCMなどで頻繁に見かける有名な専門学校であっても無認可であるということもよくあります。